日に日に悪化する日韓関係で連日ニュースが賑わっていますが、その中でここ半月の間に頻繁に出てきている言葉が、「GSOMIA」です。
しかし、ニュースで読まれるものを聞いたならともかく、新聞やウェブニュースなどで読む時、これってなんて読むの?から入る人は少なくないでしょう。
ですのでまず、読み方や内容などを紹介していきます。
GSOMIAとは?
GSOMIAは「ジーソミア」と読み、正式には、General Security of Military Information Agreementと書きます。
GSOMIAはその略称であり、和訳すると「軍事情報に関する包括的保全協定」となります。
日本では「軍事情報包括保護協定」と言われていて、アメリカや韓国、NATOの諸国などたくさんの国と協定を結んでいます。
内容は、国と国で軍事情報を共有しましょう、そしてその共有した情報は他の国には漏らさないようにしましょうね、という約束になります。
扱う情報は、軍事技術・戦術データー・暗号技術・諜報(ちょうほう)活動で得た情報なども対象となり、特に偵察や電波受信などで得た情報収集活動や諜報活動の成果などの共有が大きくなります。
最近のニュースで出ているのは日韓秘密軍事情報保護協定
ここ数日ニュースで放送されている韓国とのGSOMIAの破棄については、「日韓秘密軍事情報保護協定」のことをさしています。
ですから単にGSOMIAといえば韓国との協定をさすわけではありませんので、覚えておきましょう。日本は60か国とGSOMIAを持っていますが、韓国との間のものが問題となっているのです。
韓国と日本の協定はわりと新しく、2016年の11月23日に署名されたものです。
韓国とのGSOMIAのメリットは?
日本と韓国が協定を結んでいるのは、北朝鮮の情報を共有するためです。
日本からの情報→イージス艦や情報収集衛星・偵察機・レーダーサイトがキャッチしたミサイルや北朝鮮の航空機の動きなど
韓国からの情報→北朝鮮の持つ核やミサイルの情報、脱北者がもたらす北朝鮮国内や国境付近の情報、拉致被害者の情報など
しかし、協定を結んで3年ほどの間に、日本が期待したほどには韓国からの情報提供はなされていなかったと言われています。
つまり、日本にとってはさほどメリットがある協定ではなかったわけです。
そのため今回のGSOMIAの破棄にいたっては、日本側としてはさほど痛くはない、ということになります。
日韓のGSOMIA破棄で困るのはアメリカ?
一枚でわかるGSOMIA pic.twitter.com/AnW9E4uy9V
— Kachaaaaaaan (@katyan43) August 23, 2019
今回の日韓GSOMIAが破棄されると、一番困るのはアメリカだと言われています。実際に韓国も日本もさほどメリットがなかったのですが、アメリカは米中覇権争いを展開していますから、日韓の情報提供が崩れることは恐怖です。
中国や北朝鮮、ロシアに付け入る隙を与えたくないのですね。
ですからアメリカの大統領であるトランプ氏は、かなり怒っている状態です。G7でも韓国の文大統領を名指しして「困ったやつだ」といったと言われていますので、相当気にしているのでしょう。
日韓のGSOMIAがなくなること自体は、両国にとってすごいデメリットとなるわけではありません。
しかし信頼が崩れた、と他の国に表現するには恰好のものとなりますので、アジアがますます緊張状態になることは間違いないでしょう。
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