ステラーカイギュウの絶滅の理由が話題になっています。
海牛といえば、ジュゴンやマナティを想像する人が多いでしょう。しかし古代には、かつて超巨大な海牛が存在していました。その名もステラ―カイギュウです。
ジュゴンやマナティより何倍も大きいことが知られているステラ―カイギュウは非常に優しい動物だったそうです。
では、今回はなかなか残酷な理由で絶滅してしまったステラ―カイギュウについて紹介していきましょう。
ステラーカイギュウ 絶滅理由 名前は発見した博士の名前から
名前は、ロシアの医者兼博物学者のゲオルグ・ヴィルヘルム・ステラ―によって発見されたため、ステラ―カイギュウと名付けられました。
ステラ―博士がロシア帝国の第2カムチャツカ探検隊に所属していた時、船の座礁によって遭難したことがあります。栄養不足と飢え、寒さで隊の仲間がどんどん死んでいく中、泳いでいたステラ―カイギュウが発見されました。
その時にステラ―カイギュウを捕獲し、豊富な脂肪や肉で飢えをしのぎ、彼は船底のシートに使うことで無事に生還したのですね。
彼が帰国してステラ―カイギュウについての記録を残しますが、これが絶滅の引き金となってしまいました。
わずか27年でハンターや毛皮商人によって乱獲され、2000頭近くいたステラ―カイギュウは惨殺されてしまったのです。
ステラーカイギュウ 絶滅理由 優しすぎる性格とは?
ステラ―カイギュウは昆布を主に食べていたそうで、乱獲によって逃げようとしてもさほど早くは泳げなかったそうです。さらに、傷ついた仲間を捨てて逃げることをしない生き物だったそうで、そのためにまとめて捕まえることが出来たのです。
仲間が攻撃されると集まって守ろうとする優しい習性があったため、わずか27年で絶滅してしまったのでした。
ステラ―カイギュウの生態は?
彼らは食料豊富な夏の間にたくさん食べ、冬はその蓄えた脂肪を使って生き延び、春には骨が見えるほどやせたそうです。1年に1度繁殖期があり、妊娠期間は1年でした。子供が生まれると、群れの中心で守られて生活していたようです。
性格が穏やかで、仲間意識が強かったのですね。頭もよかったと記録に残っています。
最初に生き延びるため獲って食べた、というのは食物連鎖を考えれば仕方ないでしょう。しかし、その後の乱獲では一度に大量に殺戮をした後、運べない死体は海に遺棄したりしていたとのこと。
そのために1つの生物が絶滅まで追い込まれたことを思えば、人間の残酷さが非常によくわかるエピソードです。
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